_2020.07.03_Yuto Yasuda
海とプラ|レジ袋有料化をきっかけに知ることからはじめよう。
「年間800万トン以上のプラスチックゴミが海に流れ出ている。」
この事実を目にした2017年の安田は衝撃を受けた。
が正直、800万トンという数字にあまりピンと来なかったのである。
こうとも書いてあった。
「もうすぐ、海洋プラスチックゴミの量が海にいる魚の量を超えます。」
これは効いた。なんてこった。
シラスはあんなにたくさんいるのに。イワシやアジの群れはあんなに大量なのに。
それを超えてくるプラスチックの量。
見て見ぬ振りはできない事実。
家庭で出るプラごみをリサイクルしてみたり、マイバックを持参してみたりと、この3年間できる限り意識してやってみた。
環境問題を意識すればするほど、なぜか感じる漠然としたモヤモヤ感。
どうにかせねばならないのだけれど、なんだか茶番な気もする。
レジ袋の有料化に伴うマイバックの普及、コーヒーショップ等のストローの廃止など廃プラスチックに向けて世の中も動き出しています。
が、実際に海や湖で検出されるプラスチックは[人工芝]や[肥料(をつつむ殻)]などが多かったり。
まさかフットサル禁止令が出るとは思えないし、出したところで他のプラスチックが目立ってくるだけだろう。
レジ袋有料化は大きな意味があるが、レジ袋を減らしただけでは海洋プラスチック問題は全然解決しない。マイバック持ってるからいいや。とは言えないのです。うん、非常にもどかしくモヤモヤする。
実際に海に行ってゴミを大量のゴミ拾ったらこのモヤモヤはすっきりするのだろうか。でも海岸のゴミは拾えるけれど、荒波の中のペットボトルは拾えない。死んでしまう。世界中の海を回ってゴミを拾う生活をしたら、はたしてどれだけの効果があるのだろうか。
持続可能な開発目標(SDGs)のターゲットの1つ として「2025年までに、海洋ごみや富栄養化を 含む、特に陸上活動による汚染など、あらゆる 種類の海洋汚染を防止し、大幅に削減する」が 掲げられている。
ひとりではどうすることもできない問題ですが、ひとりひとりが意識をしなければ確実に現状より悪化していく。
スーパーに【プラスチック除去済】なんて書かれた魚が売られるような悲しい未来にはしたくない。
7月1日からレジ袋の有料化も始まり、意識せざるを得ないプラスチック問題。
どうにかしたいけれど、どうにもできない気もするし、でもどうにかするしかない。
目をそらすのは簡単だからこそ、まずは知ることからはじめよう。
海も必要。プラも必要。
海は生命誕生の源であり地球にとってなくてはならない存在。もちろん人とも切っても切れない関係です。
僕は海が好き。飼っちゃうくらい魚も好きだし釣りも好き。(この矛盾はスルーしていただきたい。笑)要するに生きるうえで海は必要不可欠だ。
その海が今、プラスチックゴミの脅威にさらされている。プラスチックが世界中の海を汚染しているのです。
レジ袋をクラゲと間違えて食べてしまうウミガメの話はあまりに有名ですが
ペットボトルのキャップに住むヤドカリ、枝の代わりに綿棒にしがみつくタツノオトシゴなど、私たちが生み出した(そして廃棄した)プラスチックが自然界を脅かしています。
海洋生物の体内に取り込まれたプラスチックは消化されずに残り、詰まったり死んでしまう。
プラスチック問題は海の生態系を崩し、生物が住めなくなり、環境の変化により個体数が減少、あるいは絶滅させてしまうことになります。
今日までに生産されたプラスチックの総量は83億トン。そのうち63億トンがすでに廃棄物となっています。その中のたった9%だけがリサイクルされ、12%が焼却され、残りの大部分は埋め立て処分されたか、海などの自然環境に投棄されました。
プラスチックの生産量は年々増加していて、このままでは今以上に大量のプラスチックがとめどなく海に廃棄されてしまうことになります。
安価で加工のしやすいプラスチック。便利な素材であることは間違いないし、「プラスチック=悪いもの」は違うと思う。もはや生活になくてはならない存在。
必要以上に作り、使用し、破棄をして分解されず自然界に残ってしまうことが問題なのです。
自然分解できる、なんなら魚のエサになるプラスチックとかないのかな。
“マイクロプラスチック”の脅威
沖に出てみると一見、綺麗に見える海。実は目に見えるプラスチックゴミは全体量のごく僅か。氷山の一角です。廃棄されたプラスチックは太陽光や酸化、海流の作用等が重なり分解されて
「マイクロプラスチック」
となり海を漂っている。
しかも一度海に流れ出たプラスチックの回収はほぼ不可能。
プラスチックは化学汚染物質を吸着する作用があり、プランクトンや魚がそれらを飲み込むことで汚染され、それを食べた人間の健康をも脅かそうとしていると。
獲れた魚の内臓から大量のマイクロプラスチックが出てくることもあり、知らず知らずのうちに魚と一緒にプラスチックを食べているなんて考えただけで怖いものです。
いまのところ、マイクロプラスチックを摂取した海産物を食べることによる人体への大きな被害は確認・報告されていません。
もちろんこれは害が無いというわけではなく、未知数なのです。
そもそも、プラスチックまみれのアジの塩焼きを食べたくはない。
マイクロプラスチックよりもっと細かいナノプラスチック(1mmの10万分の1)になると、脳などの細胞にまで入り込む恐れがあるとされており、いよいよ見て見ぬふりはできない問題です。
私たちの身近にあるマイクロプラスチック
海洋に漂うマイクロプラスチックは大きく2種に分けられます。
・一次マイクロプラスチック
スクラブやマイクロビーズなどマイクロサイズで製造されたプラスチックで、排水などを通じて自然環境中に流出したプラスチックごみ。
一度流出すると自然環境中での回収はできず、製品化されたあとは対策も難しいとされている。
・二次マイクロプラスチック
ペットボトルやビニール袋など、大きなサイズで製造されたプラスチックが自然環境中で紫外線や衝突などの影響を受け、破砕され細分化されてマイクロサイズになったもの。
これらはこのような状態になる前に、廃棄管理やリサイクルなどを行うことで発生を抑制することや、マイクロ化する前であれば回収も可能なため、ある程度の対策ができます。
(出典:環境省公式サイト)
日々私たちが使っている洗顔料や洗剤、歯磨き粉等に含まれているマイクロビーズやスクラブなどの細かい粒子。これらもマイクロプラスチックです。
細かい粒子は下水処理を通り抜け、そのまま海に流れ、化学汚染物質を吸着しながら漂い続けます。
汚染だけでなく、洗顔や歯磨き粉に含まれている粒子による人への直接的な被害も報告されています。洗顔や歯磨き時に細かい粒子が目や歯肉に入り込んでしまい、炎症を起こしてしまうのです。
細かすぎて取り除くのは困難で、そのうえ自然に無くなったり吸収されるものでもありません。人体に残り続けることになります。
マイクロプラスチックの流出を防ぐ。私たちにできること
自然環境に流出したマイクロプラスチックは動物プランクトンでも食べられるほど細かく、回収することが不可能。これ以上出さないように規制する以外には手の施し用がないのが現状です。
しかし、海洋問題のためにすべてのプラスチックの使用をやめることは難しい。
先述した通り便利な素材であることは間違いないし、「プラスチック=悪いもの」ではない。
生活に欠かせないプラスチックの使用量を減らしたり、流出を防ぐために私たちにできることはたくさんあります。
・ゴミを海や道端に捨てない。
これはまず人として当たり前のことですが。
海でないところにゴミを捨てても、下水から川へ流れ着いたり、風で飛ばされたりして、結果的に海を汚染する可能性が大いにあります。
・プラスチックの使用を減らす・リサイクルする
不要なプラスチックを使用しない、リサイクルすることが結果的に海を、そして環境を守ることに繋がります。
レジ袋やストローなんかが身近なところ。
レジ袋の寿命(使用している時間)は平均するとなんと約15分。
たった15分使用するために消費されているレジ袋をマイバックに変えるのは、そんなに難しいことではないはず。
100%無限再生可能な琥珀色ガラスとアルミニウムをパッケージに採用しているスタイリング剤もあります。
rolland o-way
私たちは世界で初めて、衛生、自然性、高品質、透明性を保証するために琥珀色ガラスとアルミニウムを選択したプロフェッショナル・ヘアケアブランドです。
環境への影響を最小限にとどめるため、最低限必要な包装のみを使用しています。継続・再生可能な自然素材を選んでいます。マーケティング用には再生紙またはFSC紙、ボール紙、PEFC木材やその他の持続可能な素材を使用して地球環境に優しい材料を作り出しています。(rolland HPより抜粋)
・マイクロビーズの入っていない製品を選ぶこと。
歯磨き粉や洗顔料などに含まれるポリエチレン・ポリエチレン末・ポリプロピレンなどと表記されるものはマイクロビーズ。
要するに細かいプラスチック。マイクロビーズというと洗顔等のスクラブを思い描きがちですが、実はファンデーションやコンシーラー、口紅、アイライナーなどにも含まれます。
これらの表記がないものを選ぶことが、環境を、そして未来を守ることに繋がります。
少しずつでも。今日から始めよう。
海のために生活全てを変えるのは到底不可能。少しづつ、できることからやってみることが大切。
海を、生命を、地球を守るため、今日から意識を変えてみよう。
きっと何かが変わるはず。
ひとりひとりが意識して、ちょっとだけプラスチックゴミを減らしてみましょう。
もしかしたら「あの時助けられた亀です。」なんてことが起こるかもしれません。