_2018.09.06_Yuto Yasuda
AIと美容師|美容師として大切にしたいこと
AI(Artificial Intelligence)いわゆる人工知能。
お掃除ロボ・自動運転の車、お店の前に立っているロボットなど。AIは様々な形で私たちの生活にとけ込んでいます。いまや携帯電話に話しかける時代。
AIの開発・発展によって生活はより便利に正確に。
人が立ち入れないところに入って調査をしたり、人の手よりも確実に仕事をこなしたり。
今後はAIがAIを開発する時代になり、ますます発展していくでしょう。
AIにより形を変えていく職業
近年驚くほどの進化を遂げているAIの能力は、2045年には人類を超えるとも言われ、それに伴い、形を変えたり、無くなる職業がたくさんあるとされています。
医療や公益企業、サービス業など、様々な職業にAIが搭載され、正確かつ低コスト、高効率な現場となっていくでしょう。
職業自体はなくなりませんし、その職業に求められる成果も変わりませんが、成果を上げるためのタスクは、デジタルなハードかインターネット上のサービスによって自動化されていくのは目に見えています。
新しい技術、つまりデジタルに対応できない職業から取り残されていくという事。
美容師もまた然り。
髪はロボットが切る時代になっていくのでしょうか。
それとも、もっと常識が変わり、美容師がいなくなる時が来るのかも。
希望の色を髪に投影し、毎日違う髪色を楽しめるようになったり、高性能のウィッグにより自由に髪型を変えれたりと、あくまで想像ですが、美容業界はどんどん形を変えていくでしょう。
現実的に考えるといまのところ美容業界(美容院)で取り入れられそうな自動化は、
- ・システムの自動化(予約・受付)
- ・売上等の計算・経営管理・財務処理
- ・カウンセリングや毛髪診断・骨格診断
などでしょうか。
近い将来、美容師自体がなくなることはなさそうですが、とはいえ「切る」ことや「塗る」ことはあくまで作業。ロボットでもできるはず。実際どこかで髪を切るロボットが開発されているとかいないとか。
ロボットがお客様に合った髪を診断し、髪はロボットが切り、寸分の狂いなく仕上げる。そして人はそのロボットの管理者となる。そんな時代が来るかもしれません。
美容ロボット管理資格が免許化されて、カリスマ美容ロボとか凄腕美容ロボ管理者とかが出て来るのかもしれませんね。
そんな未来が現実となりつつある今。
デジタルに対応しながらも、美容師としてどうあるべきか。改めて考えます。
ひと対ひとがやっぱり良い。
「近い将来、美容師さんがロボットになるかもしれません!」
そんな話を冗談を交えてお客様と話すことがあります。
すると決まって、「美容師さんはやっぱり人間が良い。」と。
これはとても嬉しいこと。
そりゃロボットの方が完璧に仕事をこなせるはず。お客様が良いと感じている部分はきっと人間らしさ。
美容師とお客様は“ひと対ひと”。そこには感情があります。
ロボットにできないことを探すより、ひと対ひとにおいて何が大切か。ここに焦点を当てて考えたい。もちろん技術の向上は忘れずに。AIに仕事を取られないようにするにはここが重要なんだと思います。
無表情で淡々と作業をこなすより、楽しそうに髪を切る美容師さんの方がきっとお客様も心地よいはず。
非日常の空間に第三者である美容師さんといることで、何気ない話でリラックスできたり、悩みや愚痴を話せたり。話すのを楽しみの一つにされている方も多いのでは。
中には髪は切りたいけれど、美容師さんと話すのが嫌という方もいるでしょう。そんなお気持ちを汲み取るのも、どんな方にもお寛ぎいただける空間をご用意するのも“人”ならでは。
喜んでもらいたい!という心が技術に重なることで、何倍、いや何十倍もの価値を生み出すと思います。
そして美容師が美容師という仕事を楽しむこと。当たり前のことですが、とても大切。「やらされてる」と感じないお店作り、「もっと良いものを提供してさしあげたい」という向上心が自然と生まれる環境。そんな環境下で美容師をやっていくことが、お客様にとってもプラスにはたらくのかなと思います。
なにより美容師が万全でなければ良いものは作れません。
休みのない無理な労働条件、厳しい労働環境、そんな環境下では楽しく仕事なんてできないはず。それに明らかに疲れてる美容師さんに切ってもらうのも嫌ですよね。
美容師もしっかり休むべき。Laughfulでは、シエスタ制度も良いね〜なんてよく話題になります。(実現はなかなか難しいですが)
美容師は、楽しいことを仕事にでき、かつお客様に喜んでもらえる素敵な職業。この感情はAIには分からないはず!(きっと笑)
LaughfulはもともとLaugh[笑う]+ful[〜に満ちた]から生まれた造語。
笑い声に満ちたお店になるように、という思いが詰まっています。
美容師もお客様も、そして周りの方や使用しているプロダクトに関わっている方々も、Laughfulを通じてみんな笑顔になれるように。
誠実に日々頑張っていこうと思います。
7年くらい前でしょうか。
成人式のヘアメイクを担当させていただいたお客様。
そんな彼女も気づけば就職、結婚、そしてママに。
なんだか感慨深いなと。
家族とも、恋人とも違う立ち位置で、たまにしか顔を合わせないけれど。
お客様の人生においてほんの少し、ヘアを通して関わらせていただいている喜び。美容師をやっているとそんな喜びの連続です。
ひと対AIではきっと感じることのできないこんな喜びが、美容師でいられる原点なんだと思います。
AIに負けない!とか、どうでも良くて。
もちろん便利になるのは助かるし、予約などの徹底管理ができるのはとてもありがたいこと。
うまーく共存しながら、これからも人間味全開の美容師でいたいと思っております。
「今度結婚することになりましたー!髪のメンテナンスよろしく!」
またいつかそんな嬉しい一言をいただけたら、泣いてしまうかもしれません。笑
人間ですから。