_2020.01.22_Yuto Yasuda
ブラッシングで頭皮は変わる|SOSサインを見逃すな!
頭皮が変わると髪が変わる。見直したい頭皮ケアとブラッシング。
乾燥した季節が続き、お肌や髪の乾燥やパサつきが気になる方も多いはず。夏には紫外線が降り注ぎ、お肌や髪のダメージも顕著にあらわれます。
お肌や髪はダメージがわかりやすく意識を向けやすいのですが、頭皮も乾燥や紫外線などによる外的要因ダメージを受けやすいのです。それから身体の状態がよく現れる部位でもあるので、よく観察してみると日々変化していることがわかります。(頭皮の観察の方法は後述します。)
おざなりになりがちな頭皮のケアですが、健康な髪をつくる上で欠かすことのできない重要なコンテンツ。
“頭皮を制するものは、美を制す。”
頭皮を整えたりお手入れすること=髪や顔のコンディションの向上。顔の皮膚も頭皮とつながっていますし、髪だって頭皮から生まれます。(当たり前ですが。笑)
健康な髪は健康な頭皮から。頭皮のリフトアップは顔のリフトアップに。
「しっかりとした土台作り」が美容の近道であると考えられます。
頭皮と、顔などその他の皮膚との大きな違いは皮脂腺や汗腺の数。頭皮の方が圧倒的に多く、その分皮脂や汗で汚れやすくなっています。また、皮膚自体は厚いのですが、額や頬の皮膚と比べてバリア機能や保湿機能が低いため、トラブルを起こしやすくこまめなケアが必須です。
【頭皮ケアの第一歩はブラッシングから】
“頭皮のブラッシング”していますか?
ブラッシングは「髪をとかすケア」と考えられがちですが、ストレス等で硬くこわばった頭皮に適度な刺激と圧を与える「頭皮のマッサージ」としての効果があります。汚れを浮かし、血流をよくし頭皮環境を整えてくれるブラッシング。毎日のケアとして取り入れていきましょう。
しかし、ただ闇雲にブラッシングをするとかえって頭皮を傷めてしまったり髪に負担がかかってしまったりと逆効果。正しいブラッシング法を心がけ、適切なケアを行いましょう。
【美容師が考える効果的なブラッシング方法】
ブラッシングの目的は“頭皮を適度に刺激して汚れを浮かせて、毛根部の栄養分を髪全体に行き渡らせる”こと。
まず初めに毛先の絡まりを取ってからスタートします。
生え際から頭頂部(つむじ)に向かって、頭皮に沿わせながらブラシを通します。
髪が動くと頭皮も連動して動くため、無理に力をかける必要はありません。
「前髪→側頭部→うなじ」の順で行い、どの行程も必ず頭頂部(つむじ)に向かって行ってください。
全方向に毛穴を動かすことで、血行が促進されます。また、いつも毛穴が同じ方向を向いていると汚れがたまるので、下から上へと毛穴を動かすことも重要なポイントです。
最後にブラシ全面を使って、後頭部を中心に頭全体をポンポンとリズミカルに軽くたたいていきます。リンパの流れが良くなり、頭がすっきりと軽くなるのが実感できるはず。
すべての行程において痛みを感じるほど強くブラッシングするのはNG。髪についたホコリや自然に抜けた髪、古くなった角質を取り除くことをイメージしながら、心地よさを感じる強さで地肌に沿わせながら行いましょう。
さらに正しいブラッシングを続けていくことで、次のような効果が見込まれます。
- ・頭皮に優しい刺激を与えることにより血行が良くなり毛母細胞に栄養が行き渡る
- ・皮脂の分泌を促し、髪に潤いを与える
- ・指では落としきれない皮脂汚れを浮かし、シャンプーの効果を高める
ケアとしてはシンプルでお手軽なブラッシングですが、健康な頭皮を保つために必要不可欠です。毎日の習慣として行なっていきましょう。
- ※ブラッシング時に気をつけたいこと※
- ・必ず乾いた髪に行いましょう。お風呂の前や寝る前が理想的。
- ・髪の絡まりをほどいてから行いましょう。
- ・強すぎはNG!心地よさを感じる強さで。
- ・必ず下から上へ。つむじに集めるようなイメージで。
頭皮のSOSを見逃すな。色で判断する頭皮の状態
頭皮は健康のバロメータ。色や硬さ、状態によってその時の体調や状態がわかるので、日々チェックする習慣をつけると良いでしょう。
頭皮の状態を確認する上で、一番分かりやすいのは頭皮表面の色のチェック。
鏡があれば簡単に確認できるので下記と照らし合わせながら頭皮を見てみましょう。
[青白い頭皮:健康な状態]
透けるような青白さのある頭皮は健康な頭皮。青白く見えるのは、頭皮下の毛根等が肌に透けて見えるため。透き通った頭皮は血流が良い証拠。頭皮表面のキメも整いうっすらと艶が出ている理想的な頭皮の状態です。
健康的な髪はこのような青白い頭皮から生まれます。
[黄色い頭皮:頭皮の酸化・脂質の癒着]
黄色い頭皮は酸化のサイン。皮脂汚れが溜まりそれが酸化して黄色くなった状態。また、内的要因により頭皮が黄色くくすんでいる状態です。
疲労やストレス、生活習慣の乱れによっても黄色くなるため注意が必要です。
酸化が進行してしまった黄色い頭皮からはエイジング毛(細くうねりのある毛髪)が生えやすくなり、艶の損失やパサつきな目立つようになります。
[赤色・ピンクの頭皮:乾燥や炎症を起こしている状態]
炎症を起こした頭皮はピンクまたは赤みのある状態となります。
かゆみやヒリヒリ感、フケなどを引き起こし、毛髪にも影響が出てきます。
《炎症を起こす原因》
- ・紫外線
- ・カラーやパーマ等の刺激
- ・シャンプーの成分や洗い方
- ・過度の乾燥
- ・疲れや睡眠不足、生活の乱れ
原因は様々ですが、頭皮の炎症はSOSのサイン。皮膚がパラパラ剥がれてきたり、膿んでしまうこともあります。無論、健康的な髪は生えにくく、パサつきや細毛、白髪が増える原因となってしまいます。
[茶色い頭皮:老廃物の蓄積や複合トラブル]
茶色い頭皮は、上記の黄色い頭皮と赤い頭皮の症状の両方が合わさった状態です。または、血液や腸の汚れや不調により流れが悪くなり、新陳代謝が低下することで老廃物が溜まっている可能性があります。エイジング毛、白髪や抜け毛など髪への影響も大きくなってきます。
腸内環境を整える、しっかり水を飲む、ストレッチやウォーキング等の有酸素運動など、頭皮のケアに加えて体内のケアを心がけましょう。
頭皮を知り、改善することが髪や身体のケアにつながる
頭皮のSOSのサインは身体全体のサイン。
寝不足だったり、疲れだったりストレスだったり。そのときの身体の状態に合わせ、しっかりとSOSを出してくれます。
例えば“フケ”もそのひとつ。パラパラと落ちるフケは汚れている訳ではなく乾燥や炎症のサイン。紫外線やカラーのお薬で炎症を起こしている可能性もあるし、もしかしたらシャンプーが強かったり合わなかったり、残ってしまっている場合もあります。
それなのに“フケ”=汚れと勘違いして、過剰に洗ってしまうのは絶対にNGです。この場合、しっかり保湿をしたり、炎症を抑えていくことが大切。
前項で述べたように頭皮をよく観察し、変化を見極めて正しくケアをしていきましょう。
【頭皮を健やかに。ブラッシング以外のケア方法】
頭皮のケアとして、まず気にかけたいのが生活習慣の改善。十分な睡眠や栄養バランスのとれた食事、禁煙やストレス緩和などが挙げられます。
睡眠は頭皮だけでなく、健康な身体づくりに必要不可欠。睡眠前のスマホやパソコンを控えたり身体を温めたりと、質の高い睡眠を心がけましょう。
食生活においては、頭皮や髪にとって必要なたんぱく質、亜鉛・鉄などのミネラル類、ビタミンB群やビオチン、抗酸化成分を含むβカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどを積極的にとりましょう。お菓子などに多く含まれる脂質「飽和脂肪酸」は、とり過ぎると動脈硬化などで血流が悪くなり頭皮に栄養が行き渡らない状態に。脂質をとる時は体に良い「不飽和脂肪酸」を含む魚類や植物油を積極的にとるようにしましょう。
それから血行促進のためのヘッドスパも効果的。美容室でのヘッドスパが理想ですが、お家でのマッサージでもOK。
頭皮のブラッシングと合わせてマッサージしてあげることでさらなる血行促進につながります。
頭皮の血行促進によって栄養が毛母細胞に送られるとともに、不純物や老廃物を排出することができます。新陳代謝が活性化され、頭皮の張りやコリ、痛みの原因の解決につながります。つまり、頭皮環境を良くすることで老廃物による茶ぐすみが改善でき、アンチエイジング効果が期待できるのです。
頭皮の血行が良くなることで、身体にも良い影響が現れます。眼精疲労や肩こりなどが緩和され軽やかな気分に。さらに質の良い睡眠を得られるので精神状態が安定し、ストレス緩和につながります。
質の良い睡眠をとり、ストレスが緩和されることでより良い頭皮を育むことにつながる。そんな良いサイクルを日々の生活の中で作り出すことが、頭皮環境を整える上で重要なこととなるのです。
頭皮は髪の土台となる部分。それだけでなく身体全体の「キレイの土台」となる部分です。
正しい知識とブラッシングやマッサージなどの継続したケアで、美しい髪と健康的な身体を手に入れましょう。