_2018.03.07_Takuro Nakamura
お客様スナップをずらりと|Laughfulが大切にしたいこと。
お客様スナップをずらりと。
Laughfulをオープンさせてもうすぐ1年。
大変ありがたいことに、この一年でたくさんのお客様に足をお運びいただきました。日に日に募る感謝の気持ちと、より成長していきたいという気持ち。
これからの成長や、関わってくださった皆様への恩返しを考えたとき、一美容室として大切にしていることを節目節目で確認することはとても大切な気がいたします。
今回はお客様のスナップを眺めながら、思うことをつらつら綴ってみようと思います。
*凛とした彼女には、綺麗に丁寧に切りつつも、柔らかさは残したワンレングスのボブを。
*他のお店でカラーモデルをしたら派手になっちゃったけど、本当は大人な女性に変化したい彼女には残っていたパーマを活かしたアンニュイなショートヘアを。
*中学生の頃から通い続けてくれている彼は、この春大学を卒業。
そんな彼には、新社会人のフレッシュさと大人の男のかっこよさを併せ持つ刈り上げショートを。カラーもしまして、やり過ぎず物足りなさも感じないアッシュブラウンを。
【カットしながら思うこと】
みなさまそれぞれ、その方ならではの魅力や、バックボーン、物語があります。
その物語に、我々美容師は携わることができます。
お客様との関係性は他の仕事にはなかなかない実に奇妙で、独特で楽しい仕事です。
こうして、スナップさせてくれたお客様の髪を見ながら思うことがありました。
自戒を込めて。
美容師を続けていると、まして美容室を経営していると湧いてくる疑問と言いますか、課題といいますか、考えることがあります。
「うちのヘアスタイルの売り・特徴はなんなのか。」
「どのようなスタイルを得意とし、打ち出していくのがLaughfulなのか。」
「お客様は何を求めてうちに来るのか」
そういったことをよく話題にあげ、スタッフと話をします。
こういった話を出すと、なにか特別で他のヘアサロンとの違いの顕著なヘアスタイルが必要だというような気持ちになります。
Laughfulとして確固たるスタイルを作り上げて行くために日々、あーだこーだと意見をぶつけ合ったりもします。
(それとともに、本当にその議論は必要なのか?という気持ちも。)
僕は、トレンドをあまりにも意識し過ぎたファストファッションのような髪は、どうも心地よさや魅力を感じません。かといって、あまりにも時代を意識しない髪にも心地よさや魅力は感じられない。
これまで積み上げてきた様々な要素(インテリア・洋服・メイクetc…)が絡み合いながら人は日々を過ごしているのですから、髪だけが一人歩きしていても、遅れをとっていてもしっくりとこない。馴染んでいないから。
もちろん、その違和感が良く感じる時があったり、新しいバランスやデザインを生んだりもする。だからこそ、その比重をどう置くかに考えを巡らせます。
*元気さと大人女性の魅力を持ち合わせた彼女には、大きく動く癖を活かしたナチュラルなボブを。
Laughfulが理想としている髪。
「清潔感・シンプルさ・高い再現性」
「自然なもの。または自然に見えるもの。」
「人の手は確かに入っているのだけれど、とても馴染んでいてしっくりときている。」
「違和感はないけれど、今までとの違いは確かにある。」
「お客様の持つ魅力的な部分を引き立たせる。」
そんな髪。
「ファッション」ではなく「スタイル」を感じる髪。
そういった感じ。
その髪をまとって、日々の物語を紡ぐのは、我々美容師ではなくお客さまにしかできません。
だから、主役はいつでも「お客さま」
当たり前ですね。
当たり前だからこそ、その人にしかない魅力をに集中し、それに合わせて自分を消しカットすることを試みる。
その髪は、誰の「したい」が叶えられているのか。
柔軟に、時には頑固に、お客様の「こうしたい・こうなりたい」を叶えていく。
美容師側に「〇〇したい」「〇〇してあげたい」という思いがなければデザインは起こせません。
クライアントになろうにも実際になれるわけではありません。
だからこそ、『相手の立場から見てみること』が大切。
そこに、僕のエゴは必要ないでしょう。
*いつでも柔らかな気持ちにさせてくれる彼には、繊細なブリーチ毛を労わりながら適切な処理を施し、丁寧に掛けたパーマヘアを。
お客さまには、心の何処かに「こうなりたい」という部分があって美容室に来ているはず。
劇的に変わりたい場合もあれば、自分の魅力を高めたい場合、気分を変えたい場合。
単純に良く見られたい。様々な思いが隠れています。
伝えることが恥ずかしかったり、お客様自身も気がついていなかったり。
美容師本位な「中村にしか切れない髪」ではなく、お客さまのその時々で変わる微妙な気持ちの移り変わりを感じ取り、柔軟に対応する「お客さまが最も輝いて見える髪」を提供したい。
(といいつつ、少々ありきたりで安っぽくも感じています。笑)。
毎回、違った視点で捉えてみる。
それは、たとえ「前回と同じ感じで。」とオーダーをもらったとしても。
「中村らしさ」「安田らしさ」「成田らしさ」など、【担当した美容師らしさ】はあるのです。
あるのですが、それを残そう。違いを出そう。創造しよう。技術を。センスを。と思えば思うほど、提供する髪はお客様にフィットしているとは言えなくなっていくような気がします。
自分としてはバッチリ仕上がったのに、お客様の反応がいまいちでドキッとする。
美容師なら誰しもが一度くらいは経験のあることかと思います。
長い間、このようなお客さんとのギャップに解決策が見出せずにいました。
その原因が「目の前にいるお客様の髪に集中しきれておらず、お客さんが主役だということが真に理解できていなかったから。」こう思ったのはごくごく最近のこと。独立を具体的に考え進めているときです。
若さゆえ仕方がないのかもしれませんが、ファッションにばかり気を取られていたんだと思います。
そのためには
「目の前にいるお客様の髪に集中しきる。」
「お客様のスタイルを見つけ出し、その魅力を最大化する。」
これを身体に染み込ませる必要を感じました。
美容師として、人として、その「共感力」なのか「想像力」なのか「センス」なのかを、常に磨かねばならない。
だからこそ一度初心に立ち返り、全てを自分で施術する今のスタイルを選びました。
おかげさまで毎日が楽しい。
つらつらあーだ、こーだと述べましたが、強いて自分本位全開で作りたいものを上げるのなら
昨今、右を見ても左を見てもな「外国人風」ではなくって
「日本人風ヘア」
「外国人が憧れる、日本人のクールなヘアスタイル。」
「日本人だからとか、外国人だからとかではなく、垣根を取っ払ったクールなスタイル。」
日本人だってかっこいいし、かわいいよ。笑